足りないものを
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とてつもなく愛されている人を見る度に、
自分もこうであれば良いのに、と思ってしまう。
無償の愛を注いでもらえるようなくらい、
魅力的で素敵で惹かれる人なら良いのに、と。
何が足りないのか何がいらないのかも
わからないけれど、やっぱり何処か違うから
そもそもDNAレベルの差なのかもとか思ってみたり。
羨望?それとも、妬み?
そんなことなかった。
ただただ、確証が欲しかっただけだった。
私が私に与えられる自信と、信頼が
限りなくゼロに近しいだけだったんだ、と。
目に見えるもの、誰かからのものじゃないと
すがりつけないから不安になっただけだった。
寂しい夜が来る度に、誰か違う人になりたいと思う。
もっと違う人になりたい、なれればと思う。
だけれど、それはほんの少しの逃避行なだけで
ちゃんと自分を自分として愛してあげられるような
そんな人であるべきだし、そうありたいと。
誰かに愛して欲しいのは、
自分が自分を愛して欲しいからだと。
茉莉花でした。
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