短くて長い今日

なんでもないような事を、なんでもない事になる前に。

夜の色

 

 

 

 

自然な笑顔がつくれるように。

 

 

 

形状記憶のふわりと広がるスカートと

フリルのついたエレガントなニットを身に纏う

あの子を心底羨ましいと思った。

こそばゆくなるから着ない、と言いつつ

なんだかんだ好きなものは好きなのだ。

骨格上太って見えるから着ない、と言いつつ

試してみたいとかは思ったりするのだ。

 

 

 

今日のお洋服も色がないねえ、と

全身が映る鏡の奥の自分が笑っていた。

何色を着たっていいじゃない、と

鏡の外から声をかけられた気もした。

今日が終わるこの時間になっても、

未だにあの笑みはなんだったのかはわからない。

 

 

 

この冬新しく身に纏ったものはなく

毎冬新鮮になれなくなるヒールのブーツを

コツコツ合わせることくらいしかできていない。

色気は、色の気と書くのだから、と言われても

じゃあ私には全くないものですね!!と

返すしかないのが実際のところでもある。

 

 

 

それでもこんな自分のことは嫌いじゃないのだ。

別に、羨ましいの対義語は、自分が嫌いではない。

寧ろ、こんなふうなのも、まだまだひよいけれど

なんだかんだと最終形態なのかもしれないとまで

思い始めてしまっているので、どうしようもない。

 

 

 

あれだけやめたら?と言われた赤いリップも

同じようなものばかり買って、と言われた服も

飽きるほど電車で聴き続けているこの曲も

誰かのためじゃなく、私のためにあるから。

 

 

 

今の自分に、満足しているのはしてるんだと思う。

それから大事なものといえば、きっと

チャレンジをした時に隣にいてくれる

多分それも悪くないよと言ってくれる誰かであるのだ。

 

 

 

茉莉花でした。